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2024年 11月 2日 【模試前の過ごし方】担任助手3年 安部(東京大学)
こんにちは!担任助手3年の安部正健です。最近ある講義で核兵器について扱っています。多くの人を一瞬で傷つけ長い間苦しめ続ける非人道性を持つ一方で、反撃の威嚇による抑止が平和の維持に資するという有効性も持っているかもしれません。この真っ向から対立する二つの性質に、この時代に国際関係を学ぶ私は引き裂かれる気がして、考え込んでしまいます。
さて、今日は模試前の過ごし方ということで、受験生時代の私がやってよかったと思えることをいくつか紹介します。
私は模試前の過ごし方を以下の考え方に照らして決めていました。それは、「模試を仮想の本番として想定し、仮に数日しか残されていなかった場合にどうするか―すなわち、今の実力のまま入試数日前にタイムスリップしたらどのような準備をするか」というものです。
もちろん、常にこのような勉強をしていたら、計画的で体系だった準備をすることはできません。しかし、模試前の数日間、具体的には2、3日間は、1点でも多く積み重ねるための入試直前の練習をする意義があります。第一に、模試に対して真剣になること。第二に、自分の実力-そこには点を積み上げるテクニックや、体調の管理、そして全ての力を発揮する心のもっていき方も含まれる-を、言い訳抜きで知ることができることです。したがって皆さんも模試前は、本番直前を想定して、死に物狂いで何が何でも得点を稼ぐ準備をしてください。
では、具体的に何をするか、というところが気になると思います。私もあまり特別なことはしていません。1. 時間をはかって過去問を解くこと、そして2. 試験前に見返す「注意点」をしたためること、最後に3. 良く寝てコンディションを整えることです。
1. 時間をはかりながら過去問を解くのはとても重要で有効です。第一に、当然ですが、過去問を解いて形式を思い出せるからです。後半が重い、とか、前半を丁寧に解くべき、とかです。共通テストの数学なんて、途中の数学IAやIIBから解き始めないといけないですからね!!そういうことも確認してください。第二に制限時間に改めて慣れることができるからです。普段時間をはからずに勉強していく中で読むスピードや解くスピードは気づかぬうちに落ちています。だからこそ模試前に本番の時間配分を試し、きつい制限時間を体感しておくことが不可欠です。近年の試験はただでさえ時間が不足する傾向にあるので、模試前の実践演習で速い処理速度に慣れておきましょう。それだけで点数が上がります。
2. 試験前に見返す「注意点」というのは、ぼくが毎年受験生におすすめしている行為です。どういうことかというと、「試験当日の自分へ手紙を書く」ということです。そこには、実戦的アドバイス-時間配分や傾向に関する見識、問題を解く際の着眼点や思考形式など-も書いてよいですし、心理的アドバイス-「数学が出来なくても切り替えろ」とか、「夢中でやれ!」とか自分を鼓舞する言葉-も書いてよいです。試験当日の自分に掛けたい言葉を、なるべく選び抜いて、試験の休み時間に見るノートに書いていました。
3. 睡眠はとても大切です。普段は慢性的な睡眠不足になりがちですよね。勉強をしていても眠いときもあります。そして眠い時の集中力と思考力は驚くほど低いと、感じたことがある人は少なくないと思います。確かに私は、模試のときはアドレナリンがでていて、眠気が感じられることはありませんでした。しかし普段眠い時に自分の思考力が皆無になることに鑑みれば、睡眠不足は自分のパフォーマンスを下げる敵です。そして、1点でも多く取ろうとしているなかで、睡眠不足のような負の因子は、たとえ自分がその影響に自覚的ではなくても排除の対象となるのは当然でしょう。したがって私は、模試の前は意識的に早寝をして、翌日のパフォーマンスが最大になるようにしていました。
長くなってしまいましたが、以上をまとめます。まず、模試前の過ごし方は、「模試を仮想の本番として想定し、仮に数日しか残されていなかった場合にどうするか」ということに照らして考えてみてください。今日のブログでは、この考え方を示した後、その理由を述べました。そして最後に私の実践例を3つ紹介しました。今日の話が、皆さんにとって、模試-そして入試-で最高のパフォーマンスを発揮する助けになったら幸いです。
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